2012/09/10

金沢市の市民説明会に行って来ました「その3」

金沢市文化ホールで9/9(日)14:00〜21:30の7時間半の長丁場に渡り開催された市民説明会、いよいよ金沢市との対話内容について。
言い訳になるが、私は結局一度たりとも発言の機会を与えられなかったので以下の内容は内なる私の声である。

市長の冒頭の挨拶として「この場で決を採る訳ではない、意見を集約し議会とも「議論」した上で決定する。方向性としては受け入れる事を表明したまでで決定事項ではない」と始まった。
私としては非常に微妙な言い回しが多いと感じた。市民の意見は聞くとの姿勢はありがたいが、決定において重要なファクターとなるのか否か。議会とも議論すると言うが、決議を取るのか?どうもそうではない様に感じる。つまり「市民」「議会」とも議論を交わした上で決定すると言っている。決定権は誰に?明言しないまま説明会が始まった。

まず強調されたのがこの瓦礫受入は被災地からの強い要望のもと、国からの要請で動いているとのスタンス。(国は国で被災地がと言っているのだが)
ここで私は釈然としない。7/27に岩手県と宮古市の震災瓦礫の担当者に電話したのだが、その時の話とかなりな温度差がある。県も市も広域処理に係る詳細は国が決定しており自分たちは一切分からないと、かなり困惑していたのだ。非常に丁寧に返答頂き、とても腹芸を使えるような方々とは思えなかった。つまり広域処理について積極的に関わっているのではなく振り回されている印象だった。ここで震災瓦礫が復興にとっての本当の障壁となっているのか、甚だ疑問に思う様になった。
また、何度も繰り返して強調される度に責任を市で持つ気はないとの言い訳にしか聞こえなくなって行った。

次に瓦礫の安全性について。100Bq/kg以下の漁具・漁網のみだと強調される。しかしそのサンプリング方法は数万tの瓦礫のうち容積にして50リットルあまり。そこを指摘されても、サンプリングとはそんな物だと仰る。なぜまだ一カ所に集約すらされていない漁具・漁網をたった一カ所で50リットル程度サンプリングして安全だと結論付け出来るのか?統計学を少しでもかじった事がある者ならおかしいと思うはずである。セシウムのみを測定し安全と言われても安心出来ない。もっと多地点で数多くサンプリングし直して欲しいとの要望には、今のままで十分で検討するつもりは無いとの回答に終止。住民の安心が得られるのであればとの積極的な姿勢は一切ナシ。

次に受入後の安全対策。フレコンバックと言う袋につめて搬入され、そのまま埋め立てるので飛散は無い。埋め立ての際には1mの覆土でサンドイッチして行くので万が一フレコンバックが破れても放射性物質は土に吸着される。埋め立て地は遮水シートで覆われておるので地層に浸透する事も無い。しかし、誰がいつ、土による放射性セシウムの吸着率を検証したのだろう?どれだけ吸着されるかの具体的数字は示されなかった。大部分と言う言い方にとどまっていた。また遮水シートの寿命についても明言が無かった。なにより地震等による斜面の崩壊、地盤の亀裂等は考慮していない様だ。その結果、万が一にも放射性物質はもとより他の有害物質も貯留槽のモニタリングで阻止出来ると言い張る訳だ。ここでも想定外を意図的に作っている様だ。

そして福島から避難・移住されたAさんからの意見。
「環境省の提出資料に1年で排出される一般廃棄物の量との比較として、岩手県の瓦礫:約395万t(約9年分)宮城県の瓦礫:約1200万t(約15年分)とある。ところが産業廃棄物は一般廃棄物の10倍以上出ており、それを合算しないで何年分と表示するのは誘導に他ならない。金沢市としてもそこを環境省に正して欲しい。」
金沢市の環境局長の答弁として産業廃棄物は一般廃棄物と違い処理方法に於いて云々。ヒトの話を聞いているのかと言いたくなる。誰もあなたに環境省に変わって答弁して欲しいなどと頼んだ覚えは無い。表記方法がフェアでなく誘導まがいなので環境省に正してくれと言っているのだ。これもまた意図的なのだろうか?

以上で私の印象に残る内容は全て。結局7時間半もの間で「その1」〜「その3」までをグルグル行ったり来たりしていた様に思う。

まとめは「その4」で。

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